病魔の序章

3/6
前へ
/36ページ
次へ
次の日、母は近くの大きめの病院に行き血液検査などをした。 診断結果は ゙貧血気味" ただそれだけだ、と言われた。 そして、増血剤を貰い帰ってきた。 私はホッとした。 母は夢だった福祉の仕事を最近始めた。 楽しいらしくて笑顔で仕事の話をよくしてくれた。 増血剤を貰ってから何日か経った。 母の具合は一向に良くならない。 それどころか身体の不快感は増すばっかりだった。 その日の夜母が買い物へ行こうと私を誘った。 車に乗り込み、家から少し離れたところで母は話しだした。 「ねえ、あゆ。お母さんね────────」
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

160人が本棚に入れています
本棚に追加