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響には冗談にしか聞こえていなかったようだ。
他の女子に言うように聞こえたのだろう。
でも俺は、他の女子に言うみたくお前の前じゃ言えない。
それに他の女子に言っている言葉と違って、響にいう言葉は、お前だけを考えていっているんだ。
ずっと思ってきた響を・・・。
それから響は俺と全く口を聞かなくなった。
目を合わせることもない。
俺の周りには他の女子ばっかりがいて、偽りの言葉のみを俺は囁いていた。
あいつは、いつもと変わらないように友達と話したりしていた。
でも、少し行動が変わった。
テニス部に全く顔を出さなくなった。
俺がいるから・・・だろう。
響・・・。
「ひびき・・・。」
「藤岡。」
「・・・。」
「藤岡!!」
「!!・・・部長・・・。」
「何ボーッとしてるんだ?」
「す、すみません。」
「練習に支障がないのはいいのだが・・・天音となにかあったんだろ?」
「どうして・・・。」
「天音が顔を出さなくなったのと、お前が休憩中にボーッとしたり、時々視線で誰かを探しているように見えるようになったのが同じ時期だったからな。」
「・・・俺・・・。そんなことをしてたんすか?」
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