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不安や、良くないことばかりが浮かんで気持ちは沈んでいた。
明るく振る舞っていても本当は不安とかで心が陰っている。
まるで明けることのない夜の砂漠を旅するキャラバンのような気持ちだ。
響というオアシスを探して。
ずっと陰ったままの日々、やっぱり楽しくない。
響がいることで成り立っていたのだろう。
今までやってこれたのは響がいたからだろう。
部活が終わって、俺は直ぐにシャワーを浴びて着替えて走っていく。
自分の想いが向かうほうが速い・・・。
でも、それに追い付こうといつも響がいるところへ向かう。
返事をもらえなかったから、もしかしたら来てくれないかもしれないけど。
走っていって、いつものところに響の姿はなかった。
辺りを見渡しても、そこにはいなかった。
「・・・やっぱり・・・ダメか・・・。」
髪を元に戻して、コンタクトも外して・・・テニスも続けて・・・。
やっぱり俺は響にとって・・・。
「拓斗・・・。」
「え・・・。」
「・・・。」
そこには、あの日以来目も合わせてくれない響の姿があった。
来てくれなかったと、気落ちしていたのに来てくれた・・・。
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