Sign

4/17
前へ
/17ページ
次へ
部活が始まって響は、ドリンクやタオルを運んだりしていた。 「天音さん。大丈夫?俺も手伝うよ?」 「あ、いいよ。」 「でも、マネージャーじゃないのにこんなことしなくても。」 「私がやりたいからやってるの。」 「でも・・・。」 俺は響の手元からテニスボールの入った箱をとる。 「あっ・・・。」 「遅い。」 「・・・ごめん。」 「・・・ほら、いくぞ。」 「えっ、えぇ・・・!?」 俺は他の男子と話をしている響を見ているのがいやだった。 そして、すぐに手を掴んで連れ出した。 「天音ちゃん。あと二つボールの入った箱を持ってきてくれる?」 「はい!」 「じゃあ、俺も行きます。」 「いいよ。拓斗は・・・部活やってて?」 「いいや。おまえ、一応女子だったからさ。」 「一応って何よ。」 「ほら、いくぞ。」 「もう、拓斗!!」 こいつを怒らせるのもいつものこと、サラっと言いたくても、言えなくて。 「藤岡くーん。」 「ん?どうしたの?」 「今日も頑張ってるね。」 「そりゃ、君が見てるからね。あたりまえだよ。」 「うん。」
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

34人が本棚に入れています
本棚に追加