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今日こそは、今日こそは言おう。
響に・・・俺の気持ちを・・・。
部活の練習が終わって、シャワーを浴びて制服に着替える。
響はちゃんと待っていてくれた。
「きたきた。」
響はそういって俺を見た。
響は、こんなに寒いのにコートも着ないでマフラーだけをしていた。
手を自分の息をかけて擦り合わせていた。
「・・・寒かったよな。悪い、待たせて。」
「そんなことないよ。大丈夫。」
「嘘つけ。手に息をかけてるじゃねぇか。」
「それは、寒くないけど手が冷たいだけだもん。」
「体が冷えてるからだろ?」
「手だけだよ。手、だけ。」
「あっそ。」
そういいながら、響の手をとって息をかける。
「えっ!!」
「手、寒いんだろ?あっためてやる。」
恥ずかしながらそういって手を握る。
そして、顔が見えないように歩き出した。
強がりやがって、寒かったら寒いっていったらいいのにと思いながら、先を歩く。
俺でもコートを着ているのに・・・。
俺がそんなことを考えていることを知ってか知らずか・・・。
知らないよな。
響は、いつもと代わらずに楽しそうに俺に話しかけてくる。
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