34人が本棚に入れています
本棚に追加
再び俺は響を強く抱きしめる。
鼓動は聞こえているだろう。
さっきのように・・・。
「好きだ。」
「・・・。」
響は黙ってしまう。
俺は、体を離し再び響を見つめる。
そして愛しい響の唇に口付けをしようとして口を近づける。
響は半分何が起きているか理解していなくて、そして、俺の吐息が響にかかる。
まるで、吐息で響を抱きしめるように・・・。
「ねぇ・・・返事は・・・?」
「た・・・拓・・・斗・・・。」
もう少しで唇が触れるところで、俺は、響に突き放された。
「じょ、冗談はやめてよ・・・。」
「冗談じゃ・・・。」
響は、走り去ってしまった。
いつも、あんなことをしていたから・・・。
俺は響にかっこいいって言ってもらいたくて髪を染めて、視力の悪い目にコンタクトをしていた。
結局今日からは一度もカッコイイと言われることはなかった。
一体響の好みはどんなやつだろう。
俺はずっと一緒に居たいのに、響のことをあまりにもわかっていないと思っていた。
あいつが俺のことをただの幼なじみと思っていると思っている。
俺のことを少しでも意識させたくて、焦って告白したのだろう。
最初のコメントを投稿しよう!