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再び俺は響を強く抱きしめる。 鼓動は聞こえているだろう。 さっきのように・・・。 「好きだ。」 「・・・。」 響は黙ってしまう。 俺は、体を離し再び響を見つめる。 そして愛しい響の唇に口付けをしようとして口を近づける。 響は半分何が起きているか理解していなくて、そして、俺の吐息が響にかかる。 まるで、吐息で響を抱きしめるように・・・。 「ねぇ・・・返事は・・・?」 「た・・・拓・・・斗・・・。」 もう少しで唇が触れるところで、俺は、響に突き放された。 「じょ、冗談はやめてよ・・・。」 「冗談じゃ・・・。」 響は、走り去ってしまった。 いつも、あんなことをしていたから・・・。 俺は響にかっこいいって言ってもらいたくて髪を染めて、視力の悪い目にコンタクトをしていた。 結局今日からは一度もカッコイイと言われることはなかった。 一体響の好みはどんなやつだろう。 俺はずっと一緒に居たいのに、響のことをあまりにもわかっていないと思っていた。 あいつが俺のことをただの幼なじみと思っていると思っている。 俺のことを少しでも意識させたくて、焦って告白したのだろう。
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