9345人が本棚に入れています
本棚に追加
…トクンッ
トクンッ…
もう飽きた。最近、夢といったら毎度毎度同じで、この暗い部屋の夢ばかり。
夢だからか、あまり自由はきかない。ただ毎回毎回、視界に入るのは同じ。
暗い部屋にはたくさんの機械、起動音…
そして紅蓮の液体が滴る音。ひたすらにそればかりが視界に映っていて、他には特に変わりはしない。
…あー、また始まったよ。
夢でめんどくさい気分になるなんて、生まれてから初めてだった。
そんな体験がここ何週間かはずっと続いていて、寝ていたはずなのに起きたら疲れているのだ…
トクンッ…
…クンッ…
…?…
音が…聞こえずらい。
夢が覚め出しているからだろうか、常に続いている液体の滴る音がトクンッ、トクッ…トッ………
その音はじょじょに遠ざかるように、遠く、遠く…
…夢が、違う?
やっとこの夢ともおさらばできるかも…
何とも思いはせず、だんだんと小さくなっていく音を聞いていた…
…小さくなって、消えていく。
トッ…
……クッ
クッ…
クン…
…ッ…
………
最初のコメントを投稿しよう!