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うっとおしい暑さを感じて目を覚ます、気が付くと汗をかいていた。
…朝。
無駄なくらいにまぶしい光が、頭側の窓から差し込んでいる。
「…」
本当に寝てばかりな気がする。
…こすりながら、ヒカルはベッドから立ち上がった。
また馬鹿みたいに暑い1日の始まり、とっとと図書室に行かなくては…またショウやリオにグチグチ言われてしまう。
「行くか…」
しかし、確認した時計に気付く。
…あ、れ?
目覚まし時計の秒針が止まっている。
…もしかしたら、もしかしているんじゃないか!?
汗が冷や汗に変わった。
…夏休み前にショウと約束していたのだ。
「なあショウ、勉強会先に飽きてサボったらジュースな。これから放課後毎日!!」
…自分の言葉には責任を持とう。でないと、今のヒカルのように自分で自分を追い込むことになる。
大慌て…ベッドの足に膝をぶつけながら、すぐにTVをつけた。
時刻…十時二十二分…
…終わった。
八時半を過ぎた時点で負けは決まっている。毎日ジュースをおごるという、残酷にして悲惨な二学期が決定した。
………?
絶望を感じていたヒカルが、再びTV画面に目をやった。
ニュース番組、問題はTVに写っている文字。
[月見学園で「黒の人」!?]「月見学園」!?
一気に眠気は吹き飛んで、気が付けばもう着替えもして家を飛び出していた。
「月見学園」…
ヒカルの中学校で「黒の人」が発見された。
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