noise

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「ヒカル、ちゃんと家で寝てるの?」 ヒカルを起こした少女はそう言ってこちらをにらむ。 理緒<リオ>。 彼女も同じく中学三年生。ヒカルよりは勉強意欲もあり、今も読書感想文を相手に格闘をしていた。 ヒカルを起こすと、その側の本棚から一冊の本を取って席に戻っていく。 コツコツといった足音が、騒がしい中耳によく聞こえてくる。 その規則的早さの音は、夢でよく聞こえてくる液体が滴る音を思い出させた。 「…っあー」 大きく伸びながらあくびをして、ヒカルも席の方に戻る。 窓の外に見える空はやはり快晴、今日にいたっては雲一つ見つかりはしなかった。 猛暑に始まった中学最後の夏休み。毎年恒例の勉強会に参加するのは、今年が最初で最後である。 基本毎日、一年生から三年生まで、自由参加で図書室が開放されているのだ。 「あれ、昼寝は終わりか?」 「うるさいな、悪いか?起こされたんだよ」 少し嫌みったらしく、しかしほがらかに言う眼鏡の少年。 彰<ショウ>も三年生、本職はもちろん学生で、彼は生徒会長でもある。 根が真面目なやつだから生徒会長という立場もなんだかシックリくる。 少し肌寒い図書室の中、会話をしながらでもしっかり宿題を進める生徒の一人であった。
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