第三章 敵陣突破

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「おっと、早速お出ましみてぇだぜ」  見ると、城の屋上から一匹の龍が飛び立って飛空艇に向かってくる。細長い身体に釣り合わぬ巨大な翼。四本の腕に備わる鋭い爪が鈍く光る。 「城の守護龍、デスゲイズという奴だ」 「よーし! 一発かまして────」 「待て」  やる気全開のクロノスは、ヴァースに止められてこけそうになった。 「相手は空中だ。そう簡単に相手はできない」 「じゃあどうやって倒す?」 「センティグレイドだ。戦闘用に作られたこれなら、何とかなるだろう。この飛空艇は神の力を宿した武器を搭載している。デスゲイズにも通用するはずだ」 「ここは完全にヴァースに任せるしかないな」 「荒い運転になるぞ。掴まっておけ!」  そう言った瞬間、機体はデスゲイズに向けられ、二発のミサイルが飛んでいった。デスゲイズが瞳から怪光線を放ち、ミサイルを打ち落とす。 「虚仮脅(こけおど)しにもならないか」  ヴァースは手を目の前の操作盤にかざし、盛んに動かしている。 「手と指だけで操縦してんのか」  クロノスは感心したような声を出した。  飛空艇とデスゲイズがすれ違う瞬間、デスゲイズの尾が機体に叩きつけられる。しかし、衝撃に対して最高の硬度を誇る白王金(はくおうきん)で作られた機体には傷一つ見られなかった。  飛空艇は急旋回し、デスゲイズの背後を取った。機関砲を起動し、神の力を宿す弾丸を連射する。集中射撃を受けてデスゲイズが叫び声を上げたその時、その口から青白い炎のようなものがこぼれるのをヴァースは見た。 「まずい!」  ヴァースは素早く飛空艇を横移動させたので、さらにベルトに締め付けられるアレン達。それと同時に、デスゲイズの口から高温の光線が放たれた。間一髪のところでそれを避け、飛空艇は中央の最も大きい砲台にエネルギーの収束を開始した。 「波動砲、発射!」  とてつもない破壊エネルギーが砲台から放出される。光線を吐いたデスゲイズは体勢を立て直している途中で、波動砲を避けきれず破壊エネルギーの塊に飲み込まれた。消滅したかと思われたが、デスゲイズは飛空艇を道連れにしようと、最期の攻撃を放った。 「なにっ!?」
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