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アテナの怒りは結局、アレンに全てが集中したようだった。
「もとはと言えばアレン、あなたが最初に飲み出したのが原因でしょ!」
「えぇっ!? それは関係な――――」
「問答無用!」
アテナの鋭いフックがねじりこむようにアレンの脇腹を撃ちぬく。そのまま眠ってしまいたいとアレンは思ったが、続いて襲った秒速ストレートがそれを許さない。吹っ飛ぶより速く、アッパーがアレンを宙に浮かせる。彼に跳びついて頭を脇に挟むと、床に向けて彼の脳天を接地点と定めた急降下を開始した。
「あんたなんかああああぁぁぁぁ!!」
アテナの絶叫と共に、アレンの脳天は凄まじい勢いで地面に激突した。
「おいおい、ボクシングかプロレス、どっちだよ……」
クロノスが引きつった顔で呟く。
「いや……、ツッコむ所そこじゃないだろ……」
アレンが最後の力を振り絞ってツッコみ返すも、反応してやれないほどクロノスは畏縮していた。
「あっ、気が……遠く……。ブラックアウト……」
アレンは薄れゆく意識の中で思った、アテナは決して酔わすまいと。
「これって前にもあったような……」
クロノスとヴァースは合掌し、アレンの安らかな眠りを願ったのだった。
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