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「こちらです。」
そんなやりとりをしている内に二人は目的地の屋上へと着いた。
「ありがとうございます。あれが看板のあった場所ですね。」
勇二は一ヶ所にワイヤーなどが集中していながらも何もない所を指を指し問いかけた。
責任者は首を縦に振ると勇二はその場所に足を運び何かを調べるかのようにその場にしゃがんだ。
「…………やっぱり」
勇二はしばらくすると小さくそう呟いた。
「狭山さん?」
「見てください。」
そう言うと勇二は看板が繋がれてたであろうワイヤーを悟に見せた。
「それがどうしたんだ?」
「この切れ目、明らかに専用の工具で切られた物です。そしてあのタイミング間違いなく悟さんを…」
(ん?)
勇二は隙間に挟まってたそれをハンカチ越しに拾うと静かにポケットの中に入れた。
「待てよ、無差別で狙ったって事もありえるだろ?」
悟は先ほどの勇二の言葉に反発するように言った。
「確かにその可能性も否定出来ません。しかし今までの出来事からそう考えた方が確実でしょう。」
その言葉を聞き急に悟は黙りこんだ。
その事に勇二は少し不審に思い悟の顔を見上げた。
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