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「…許さない」
悟は怒りに満ち溢れていた。
「悟さん?」
「無差別にしろ俺を狙ったにしろ関係ない人を巻き込むことになんも躊躇しないなんて絶対に許さない!」
そう、一歩間違えば悟以外の人間を犠牲にしかねない手段を選んだ犯人に怒りを覚えていた。
そして悟はその場でポロポロと涙を流していた。
「ちょっ悟さん?」
「ご…ごめん…おれ…」
悟はとうとうその場でうずくまって泣いてしまっていた。
許さない…許さない…そう何かを思い出しながら。
その様子に責任者はオロオロしながら「大丈夫ですか?」と聞いて来た。
「すっすみません!今日はこれで失礼します!」
いきなりの事に慌てた勇二は悟の手を引っ張りその場を後にした。
そして近くの公園に寄ると勇二は悟をベンチに腰をかけさせて自らも腰をかけ悟が落ち着くのを待った。
「…落ち着きましたか?」
しばらくして泣きすする音が小さくなるのを確認すると勇二は優しく聞いた。
「うん…ごめんな。」
悟も小さな声でうつ向きながら勇二に謝罪した。
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