壱本目の蝋燭

3/3
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
「浮いてる?」 「そうよ‼」 言われてみて納得した。たしかに揺れているのだが、揺れ方が不規則で、まるで風船のようなのだ。 「あっ‼」 「でしょう?」 得意気にオレを見る彼女は笑顔を見せた😁。が、一瞬で凍り付いた… 「なんで浮いてるの😓?」 「…」 「…」 沈黙が二人を包む… 彼女が堰(せき)を切ったかのように「別の車両に移ろうよ💦」 しかし、ココは最後尾の車両なのだ。 移る為には男性の横を通らなければならない。 周りを見渡しても、この車両には自分達しか居なかった。 「よし❗移ろう」 オレは彼女の手をギュッと握り締め、バックを持って席を立ち上がる。 だが、なかなか足が前に進まない💦 一歩、また一歩とゆっくり歩きだす。 その座ってる男性に近づくにつれ、彼女がオレの腕にしがみつく。 その席の横を通る時に、その男性に声を掛けられた。 「…あのー…」 ビクッとしたオレは 「はい💦💦💦」 と、オトコの顔をつい見てしまった。まるで生気が失われた顔だった。 次の瞬間、そのオトコは   「僕の事、見えるの?」       彼女と二人で次の駅で降りたのは言うまでもありません。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!