二年、四月

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    また、出会った。   下駄箱が移動したりクラス替えがあったり何かと忙しい新年度の始業式。 移動した新二年生の下駄箱の前に貼られたクラス替えの掲示板に、亮も近付く。 人垣に入りたくないので、この時は本当に自分の良い視力が重宝する。 (…2-B、か) 理数科に席をおく亮は、前の方のクラスになる。 文系は後ろのクラスだ。 奇跡か、はたまたただの腐れ縁か、泰介と伸也の名前を同じクラスに見付ける。 それを確認して、亮は新しい下駄箱へ向かった。   二年生は校舎も移動する。隣の校舎はあまり行ったことがなかったので、クラスの場所を少しだけ探す羽目になる。 見つけた2-Bの教室の引き戸を開ける。 「お、亮じゃん。おはよう!!」 さっそく泰介が近寄ってきてバンバン肩を叩く。 「同じクラス、よろしくな!!」 「あぁ、よろしく」 また同じクラスになれたことが嬉しい。 荷物を置くために席を探して、新しい出席番号の席を見付ける。 荷物を置いて、ふと前の席の女子生徒が振り返るのを見る。 「…あ」 「あ、君!!」 彼女は嬉しそうに笑った。   少しだけ以前より伸びた、セミロングの髪。 あの時の彼女が、そこで座ってた。     もし、クサイ台詞を言う奴がいたら これを運命と呼ぶのだろうか
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