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何だか新鮮で、違う世界。
浅木陽(あきら)と彼女は名乗った。
始業式を待つ間、亮は陽と話した。
一方的に陽が話した、と言った方が実際は近かった。
「あの時東君さっさと行っちゃうから誰だか分からなくて」
楽しげに陽は笑う。
「私も遅刻しかけてたし丁度よかったの」
また笑う。
一度会っただけなのに、何故笑う。
そして陽は1年の話も少しした。
「私去年は進学コースだったんだけど、ついてけなくてコース変えたんだ」
今度は苦笑い。
だけどすぐ笑う。
初めて入る教室。
次第に増える新しいクラスのメンバー。
俺の名を呼ぶ泰介の声。
少しだけ開いた、薄汚れた教室の窓。
何もない教室の壁。
綺麗な黒板。
先輩の残した落書き。
目の前の陽の笑顔。
何だか色々新鮮で違う世界に見えた。
教師が呼びにくるまで、亮はその不思議な感覚に浸った。
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