第3話

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比「さっきのコワイ話、最後はどうなるの?」 博「聞きたい?」 比「…やっぱりいい…」 博「あそう」 アタシは部屋の外にあるデッキに向かう。 波の音を聞きたかった。 夜の海は果てしなく暗やみに包まれて辺りはなにも見えなかった。 ただずっと先に灯台の明かりと、思いが一瞬のうちに消えてしまうような、波の音しか聞こえなかった。 アタシは外のデッキにある二人掛けのベンチに座る。 比(星が綺麗…) 博「キレイな星だな」 ドキッとした。 心を読まれたようだった。 山瀬が後ろに立っている。 博「また明日からロケだのCDのレコーディングだの始まるのを考えたら、憂欝だな」 比「そうだね。休みがあると、次の日いやだなぁって思うからってのもあって、休み取らなかったのもあるし。でも、礼美と政志くんにはすっごく感謝してる。すごく楽しかったから」 博「うん」 山瀬はアタシの隣に座った。 無言…。 比(気まずいなぁ…💧なんかしゃべってくれないかな💦) 博(どうしよ、なんかしゃべらないとな💦) 比・博「…あのっ!」 博「お、おまえから言えよ💦」 比「え💦いや、あんたから言ってよ」 博「えっ💦あの…」 その時、アタシめがけて蛾が飛んできた。 比「ギャァ!!」 思わず山瀬に抱きついてしまった。 比「ごめん💦」 博「いや…」 顔をあげると山瀬の顔が目の前にある。 そのままじっと見つめあっていた。 お互いの瞳を観察するように。 どれくらいの時間が経ったのだろう。 しばらくの沈黙のあと、私達は唇を重ねていた。 空にはただ、何座かわからない星が、いくつも輝いていた。
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