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私はボイトレルームにいる比菜ちゃんを呼ぶ。
礼「比菜ちゃ~ん、山瀬クン来てるよ」
比「わかった、今行く」
なんだろ。今日は撮影とか早く終わったのかな。
なぜか、ドキドキする。
山瀬がソファに座っている。
アタシは山瀬の隣じゃなく、離れて座る。
比「今をきらめく人気アイドルが何してんの?」
博「話があって来たの」
比「?」
博「この前、ここで、温泉のときの事はシャレだって言ったことを謝ろうと思って…」
比「…あぁ、別に気にしてないから…。その場の雰囲気にのまれたんだよ、アタシ達…」
博「…………うん。そうかもな」
比「……………じゃ、この話はこれで終わり!そうそう!来月からまたツアーが始まるから、コレ、チケット」
そう言ってチケットを山瀬に渡す。
比「絶対来てよ!」
博「おう」
よし、これでモヤモヤがすっきりした……………………?
礼「山瀬クン、唐揚げ食べる?いっぱい作っちゃって、食べきれないから♪」
博「あ、じゃあいただきます」
アタシは一人、自分の部屋に戻る。
今回のツアーは特別だった。
ちょっとしたサプライズを用意している。
その計画をちょっと考えたかった。
比(やっぱ、この曲の後に入れるかな…)
ツアーの構成は自分達で考える。メンバーの優里は今年は 衣裳・会場のデザイン担当。
他の二人、典香(ノリカ)とアミは選曲担当。
アタシは演出担当。
部屋の外では、山瀬が帰るような話をしていた。
博「ごちそうさまでした」
礼「いえいえ♪比菜ちゃん呼んでこなきゃ」
博「あ、いいよ。見送りなんて気持ち悪いし。いつも来てるからさ」
礼「そお?じゃ、また来てね」
博「うん」
礼「これからも比菜ちゃんをよろしくね♪」
博「?う、うん」
バタンとドアが閉まる。どうやら山瀬は帰ったらしい。
礼「比菜ちゃ~ん、山瀬クン帰っちゃったよ~」
比「あ、そう~」
礼「比菜ちゃんも唐揚げ食べる?」
比「食べる♪」
アタシは部屋を出る。
いい匂いがする。
礼「今日はね~自信あるよ♪」
唐揚げを口に頬張る。
比「うん、おいしい♪」
礼「でしょぉ。私天才だわ♪」
比「コレは唐揚げの素がおいしいんだね」
礼「ちょっと!?どういうこと!?」
ふとテーブルを見ると、ツアーのチケットがある。
比「山瀬め、チケット忘れていきやがったな。礼美!ちょっと行ってくる!」
まだ近くにいるだろう。
今追い掛ければ追いつく。
アタシは玄関のドアを開けて駆け出した。
つづく
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