第6話

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わたし笠原実乃は、比菜・礼美・山瀬・優里の友達。 とくに、比菜・礼美とは小学校からの長い付き合いだった。 比菜はわたしに無いものを何でも持っていた。 美人で可愛くて、歌も上手くて演技が出来て、賢くて、いつも元気で、気遣いを忘れない。あと、たまにすっとぼけてるところ。 だから比菜の事が好きな芸能人は多いって、どこかの週刊誌に書いてあった。 今わたしは、この前の、山瀬と比菜のあの事を聞きに比菜のマンションにやってきた。比菜は山瀬の事をどう思っているのかハッキリさせたかったから。 まぁ、仕事でいないだろうけど帰ってくるまで待つつもりだ。 礼美はいるのかな…。礼美も天敵だ。比菜にベッタリだし。なにより山瀬と比菜を応援してるらしい。 キューピッドのつもり? 一緒にいたら横から何か口出しするに決まってる。 そんなことを考えながら歩いていたらマンションに着いてしまった。 いつみてもでかいマンションだな。 誰かがオートロックの内側から出てくるのが見える。 山瀬……。 山瀬がわたしに気付く。 博「あ。上原のウチに来たの?」 実乃「それ以外このマンションには用はありませんけど」 博「そうだな(笑)」 笑っている。 この笑顔が好きなんだよね…。 好きなんだよ……山瀬が。 博「遊びにきたの?今日は上原もいるよ」 実「そうなんだ…」 あの事を聞くべきか、聞かないべきか… 実「山瀬は何しにきたの?」 博「いや、ちょっとね…」 暫しの沈黙 実「山瀬、わたし…」         つづく
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