992人が本棚に入れています
本棚に追加
/188ページ
中に入ると白黒基調のモダンな店内。
中はまぁまぁ賑わっていた。
カウンターに僕ら二人は腰掛けた。
「いらっしゃいませ。」
感じの良いバーテンがコースターと灰皿を僕たちの前に並べた。
とりあえずビールで乾杯。
一時間程ケンイチと話し込んだだろうか?
横にいたおじさんが話しかけてきた。
「俺は学者でな。すごーい研究をしてるんだ」
いきなり何を言ってるんだか。かなり酒くさい。
「俺が色々しらべたんだが。この世の中はおかしい!どこかで時代がひん曲がっておる!」
「このまま、この時空が進みすぎると大変な事が起こるぞ」
これは参った。完全に酔っ払いだ。
「井上さん。酔っ払いすぎですよ。」
バーテンが僕らに気を使って間に入ってくれた。
「ねぇ、井上さん?その話し詳しく聞きたいな」
でた。ケンイチの者好き。
すぐに色んな人と絡みたがる。
「おぉ!見所ある青年だな!よし聞けっ!俺が調べた限り、本来世界は今のようにあるべきでは無い。」
「今世界はイギリス、ポルトガル、日本、この三つ国で成り立っている。歴史で習ったろ?
織田信長が日本を統一して、ポルトガルと組んで朝鮮を攻めた。そして明を攻め、インドが降伏。瞬く間に快進撃が続いた。
そして遂にイギリスとポルトガルと日本の三つになった。しかし人間は欲深い。三つ仲良くしてられるのは時間の問題だ。
そして1698年に第一次世界大戦が起こってしまう。
1725年には明の独立戦争をきっかけに第二次世界大戦。
それから世界は一応の収束を迎えただろ?」
酔っ払いなのに、しっかりしてやがる。
「何が問題かって、第一次にしても、第二次にしても武器がたいした事ない時代だから、何でもやってくれって感じなんだ。ただ今第三次が起こってみろ。ちと半端無い武器が多すぎる。地球おわっちまうよ。」
なるほど。
「でも今三国はかなり安定してる。心配の必要はないでしょう?」
ケンイチの言う通りだ。
すると井上さんの顔が鋭く変わった。
最初のコメントを投稿しよう!