ひだかこういち

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中に入ると白黒基調のモダンな店内。 中はまぁまぁ賑わっていた。 カウンターに僕ら二人は腰掛けた。 「いらっしゃいませ。」 感じの良いバーテンがコースターと灰皿を僕たちの前に並べた。 とりあえずビールで乾杯。 一時間程ケンイチと話し込んだだろうか? 横にいたおじさんが話しかけてきた。 「俺は学者でな。すごーい研究をしてるんだ」 いきなり何を言ってるんだか。かなり酒くさい。 「俺が色々しらべたんだが。この世の中はおかしい!どこかで時代がひん曲がっておる!」 「このまま、この時空が進みすぎると大変な事が起こるぞ」 これは参った。完全に酔っ払いだ。 「井上さん。酔っ払いすぎですよ。」 バーテンが僕らに気を使って間に入ってくれた。 「ねぇ、井上さん?その話し詳しく聞きたいな」 でた。ケンイチの者好き。 すぐに色んな人と絡みたがる。 「おぉ!見所ある青年だな!よし聞けっ!俺が調べた限り、本来世界は今のようにあるべきでは無い。」 「今世界はイギリス、ポルトガル、日本、この三つ国で成り立っている。歴史で習ったろ? 織田信長が日本を統一して、ポルトガルと組んで朝鮮を攻めた。そして明を攻め、インドが降伏。瞬く間に快進撃が続いた。 そして遂にイギリスとポルトガルと日本の三つになった。しかし人間は欲深い。三つ仲良くしてられるのは時間の問題だ。 そして1698年に第一次世界大戦が起こってしまう。 1725年には明の独立戦争をきっかけに第二次世界大戦。 それから世界は一応の収束を迎えただろ?」 酔っ払いなのに、しっかりしてやがる。 「何が問題かって、第一次にしても、第二次にしても武器がたいした事ない時代だから、何でもやってくれって感じなんだ。ただ今第三次が起こってみろ。ちと半端無い武器が多すぎる。地球おわっちまうよ。」 なるほど。 「でも今三国はかなり安定してる。心配の必要はないでしょう?」 ケンイチの言う通りだ。 すると井上さんの顔が鋭く変わった。
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