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結局それから三十分も滞在してしまい、海は急いで港を目指していた。
淳弥の釣りの結果は言わずとも予想できるであろうが、鯛は結局釣れなかった。
「どうだかっちゃん。日が沈む前には帰れそうか?」
「無理だろうな。とにかく今は話しかけないでくれ……手元が狂えばどうなるかわかるだろ?」
今の速度は普段の走行速度の倍以上。手元が狂えば転覆は免れることはできないだろう。
それがわかっているのかどうか知らないが淳弥は黙って船に捕まっていた。
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