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その内、少年は一人の少女を連れてくるようになった。年齢は同じぐらいで髪は肩にかかるぐらいまである。
その少女はある日、少年に尋ねた。
「ホシが消えたってどういう意味なの?」
「見えるっていうかわかるんだ。この空の先でホシが消えるのが……」
「そのホシってお星様のこと?」
「違うよ……」
少年はそれだけ言うと黙ってしまった。少女は首を傾げながら見ているとしかたなさそうに少年は答えた。
「ホシってのは惑星(ホシ)の事だよ」
「嘘……でしょ?」
「信じれないなら信じないでいいさ」
「…………。じゃあなんでそんなことが解るの?」
「わからない……。でも小さい頃からなんとなく消えるのがわかったんだ……」
「そう……」
それきり会話がされることはなかった。少年は空を見上げ、少女は戸惑いながら少年を見つめていた。
「またホシが消えた」
少年の言葉で二人は立ち上がった。いつしかこの言葉が解散の合図になっていた。
二人は別れを言うと野原を立ち去った。
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