何これ?

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「別に外に出るのは構わないけど、1人で喋ってたら変よ?」 ラッキーガールが貧乏神を押さえ付けながら、的をえた発言をする。 「携帯電話を耳に挟むから、平気だろ。 移動範囲とかあんの?」 「エリア内だったら大丈夫。 私達のエリアは五月橋から茜橋まで」 この辺は川に周りを囲まれた、孤島の様な地域だ。 一本の太い川が一回二股に別れて、また合流している。 分岐点から合流地点の間にあるって言えば、わかりやすいかな? 昔は川でよく魚釣りをしたもんだ。 「で、ボーズ。何を聞きたいんだ? 下らん事だったら、飯食えなくなるまで貧乏にするぞ!」 「まぁまぁ、取り敢えず大吉神社行こうぜ。 あそこなら涼しいし、人通りも無いから」 かくして、俺達三人(?)は神社に向かった。 久し振りに来た神社は、どこか懐かしい様な匂いがした。 幼なじみのシュウちゃんと、よくセミを採りに来たっけな。 小さい敷地にポツンと賽銭箱と、社が申し訳なさ程度に置いてある。 俺がノスタルジックな気分に浸っていると、ハゲがガミガミと喋りかけてきやがった。 ハゲめ! 人の気分打ち壊しやがって! 「お前の聞きたい事は何なんだ!? オレだって忙しいんだ、早く用件を言え!」 「さっきオッサンが言ってた"お前にとりついてやる!"ってのは、言葉のあや? あんた達が見える人間には、あんたらの力は無効になるんじゃないの?」 貧乏神が説明しようと口を開けた瞬間、 ラッキーガールが貧乏神のみぞおちにグーパンを五回程叩き込んだ。 ボクサーでも避ける事ができなそうな、素早いパンチだな・・・ こいつを怒らせない様に注意しないとな・・・
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