何これ?

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ラッキーガールは貧乏神が気絶している事を確認すると、 俺の方を向いてニッコリ微笑んだ。 「このオッサンうるさいんだもの、話が続けられないわ。 貧乏神はパチンコ屋ができる前からいる神様ですもの、当然太郎くんにとりついて貧乏にする事ができる」 「他にも、俺があんたらを見れる様になった事で、 他にもなんか見える様になってるのか?」 「他にもって?妖精は見えてるわよね?」 あんなの妖精に見えねえよ! 気色悪い触角生やしやがって! 「いやぁ、ほら、幽霊とかさ」 ラッキーガールはキョトンとした後に、大爆笑した。 俺は怒りが大爆発しそうになったが、チラッと貧乏神を見て考え直す。 「・・・っくー! あんた本当に笑いのツボをついてくるわね! 何?幽霊が怖いんでちゅかぁ?アハハハハ!」 俺は手に爪が食い込むまで拳を握りしめ、ラッキーガールが返事をするのを待った。 「・・・あー笑った! で、何?見たいの? 見える様にしてあげようか?」 「じゃあ、俺には見えてないのか?」 「だと思うわ。 来る途中に太郎くんは、幽霊を避けないで擦り抜けてきてたから。 何かのきっかけで見える様になった人には、 たまに幽霊だけ見えないって人もいるからその類いね。逆のパターンもいるみたいだけど」 俺はラッキーガールの話を聞いて、血の気が引いた。 擦り抜けたって何ですか? 「大丈夫よ。皆気が付かないで通り過ぎてるもの。」 そうゆう問題じゃなく、気持ちの問題だろ? 「取り敢えず、私達は持ち場に戻るわよ?」 「・・・あ?ああ。わかった。あんがとな」 じゃあまた、と言いながら、ラッキーガールは貧乏神を肩に担いで戻って行った。
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