ちょっと疲れた

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「あの天使はね、素行が悪くて一度地上に落とされそうになったんです。 でもこのラッキーボーイくんが、上に掛け合ってくれてなんとか免れたんですよ。 今のバイト先もラッキーボーイくんが見つけたものです。 しかし出前の金をくすねるなど問題を起こして、店の顧客は減りクビになりかけたのをまた助けたんですよ」 ・・・ふーん 結構良い奴なんだな。 でも・・・ 「あいつのためになんのか、それ? あいつ自分じゃ、なんにもしてねーじゃん」 貧乏神が酒で頭を真っ赤にしながら、話に割り込んできた。 「確かになぁ。 でも最後の最後であいつは改心したんだよ。 今のやりとりはいつもの事だ。 会計はあいつの給料からひかれるんだよ。 あいつなりの感謝の気持ちなんだろ」 「ふーん。 てか毎回あんなやりとりしてんの? やっぱ神様って変なんだな」 「まあな。おい、ボーズお前が花飛沫頼んだのか?」 「あぁ、旨そうだったから」 「お前なかなか良い趣味してんな。 こいつは俺の大好物なんだよ」 そんなうめえのかぁ。 袋ではなく、ドル箱くらいの大きさの箱に入ってる。 拳くらいの大きさの花だ 透明で虹の様に輝いている。 「これ、食えんだよね? ネットで見るのと大分感じが違う」 「このままじゃなくてね、付属のスープの粉をかけるのよ」 言うなり、ラッキーガールは丼の中に花を入れてスープの粉を入れる。 「おぉ!すっげー!」 みるみる内に花は溶けて キレイなスープになった。花が変形して、輝くスープみたいだ。 「スプーン面倒くさいな。このままで良いか」 そのまま丼を掴んで、ずずーっとすすって飲んだ。 今まで味わった事が無い味だ。 口の中ですぐ溶けて無くなってしまう。 後味はさっぱりしてるのに深い。 「天上界のものって旨いんだなぁ」 神様達は俺の一言でテンションがあがり、これもあれもと勧めてきた。
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