俺、主人公

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俺の名前は田中太郎。 名前と同じで外見も普通だ。 痩せ気味の体に、中途半端に伸びた髪。 ヤオキで買った、15000円の吊りのスーツ。 まぁ、そんな感じ。 で、どこから見ても平凡な俺はたった今 クビになって、取り敢えずブラブラしているわけだが・・・ ん?クビになった理由? 原因はパチンコとスロットだよ。 昼休みに打っててね、 うまい具合に確変が続いたわけ。 だけど、昼休みが終わったらすぐに業者と打ち合わせがあったんだよね。 感の良い人はもうお分かりだろう。 そう、打ち合わせに遅刻した。 俺は遅刻の理由を適当につけようと思っていたら、なぜか先方もうちの常務も理由を知っていた。 見られてたんだ。 先方の1人に。 常務には一時間の説教の後今までの遅刻の理由もバレてしまい、クビ宣告をされた。 「俺、ついてねーなぁ・・・」 ジャケットを手に持ち、 汗だくになりながら ブラブラと喫茶店を探すが良い感じの店が無い。 「公園はあちぃ上に、セミがうるせぇしなぁ」 おっ?トトールじゃん! あそこで良いか。 俺は真面目だから、信号が青になってから渡り始めた。 「危ない!」 ん?何が? そう思った時には 俺の体は空に浮いていた。 地面に思い切り体を叩きつけられて、足があり得ない方向にまがってる。 "やべー、完璧折れた"  そう思った瞬間に、俺は意識を失った。
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