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俺がポチポチリモコンをいじってると、扉をノックする音がした。
俺が返事をする前に、医師と看護師が入ってくる。
ノックの意味ねぇじゃん。そんな事を思っていたら、医師の方から話し始めた。
「意識が回復して良かった。きちんと検査をしないとわからないが、障害も出てなさそうだし。
危なかったよ、一週間の間に心停止が四回あったからね」
ニコニコしながら、そんな事をさらっと言う若い医師に軽い殺意を覚えた。
"腕一本ありゃあ、やれんだろ"
そんな俺の考えてを見抜いたのか、若い医師は慌ててじゃあまた後でと出ていった。
「あー・・・あんたが怖い顔するから、先生逃げちゃったじゃない。
ちゃんと挨拶もしないで、あんたは本当にろくでもないよ」
「わかったわかった。
取り敢えず、俺腹減ったんだけど・・・」
「何言ってるの!これから検査だよ!」
お袋はプリプリしながら、病室を出ていった。
その後は色々な検査をして慌ただしく1日が終わった。
内臓に損傷はないとかで、晩飯は普通の白いご飯に鯖味噌、蜆の味噌汁にほうれん草のお浸しだ。
「あー!うめぇ!
しっかしあれだな、退院まで暇だなぁ・・・
二週間かぁ」
それから俺は毎日パチンコとスロットの雑誌を読み漁った。
お袋は面倒臭そうな顔はするものの、雑誌や俺の好きなプリンと牛乳を買ってきてくれる。
そんな事を繰り返していたら、二週間はあっとゆう間に過ぎていった。
幸い、怪我をしたのが左肘だったので食べる時には不便は無い。
足はまだ時間がかかるらしいが、肘と同じで間接が抜けた様になっているので治りは早いらしい。
後は退院するだけだ。
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