火災ダッシュ

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あれは小学生4年。   季節は秋 草木が渇れ始めた頃でした。   僕の家の付近には沢山の空き地があり そこで基地を作ったりして遊ぶのが仕事みたいなもんでした。   ある時… 基地周辺を1人で探索しているとあるものを発見した。   【手動式発火装置】 …つまりライターである。   『カシュッ』 まだ火がつくようです。   …何か燃やしたい。 そんな危険な感情が芽生え始めた。   『これだ…』 空き地に群生している枯れた雑草。   点火   即燃える草木達。 …しかしすぐ消火。   はい。 子供だけど悪い事だと分かってますから。   もう一度点火 けっこう楽しい。   はいっ消火。   あれ? …まずくない?   消えないです。   いや… むしろ火が広がっていくよ。   僕、完全に放火魔。   分かっている。 こんな時どうするのかは。   …逃げる。   その場を風のように逃げながら振り返ると 25mのプール位に燃え広がっている。 (基地は完全に燃え尽きた)   これはヤバイかも。 空き地の横は民家だ。   そうだ。 消防車だ。 …僕は賢いな。うん   僕は自宅に帰り、電話で消防車を呼ぶ。   『空き地が燃えてます』 …もちろん僕が原因とは言うはずない。  住所を告げるとすぐに消防車が来た。 なかなか速い到着だ。   付近住民は火災に気付きバケツリレーを開始。   みんな必死の形相だ   頑張れ住民パワー。 …既に他人事。   暫くすると鎮火 付近の住宅は無事でした。   警報が通報者である僕のもとに来た。   警報『君…お手柄だったね』   自分『当然のことをしただけです』 …嘘つきまくり   向こうで何か話している   『ライターが落ちていた』 『現場から猿のように逃げるガキを見た』   ヤバイですね~現場検証は。   僕は早々に立ち去りました。   みなさん ピンポンダッシュは構いませんが 火災ダッシュはやめましょう
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