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「ん…人か?」
ギコの目の前にはネコがいた。道路の端に体育座りをしてうつ向いている。
もっと近づいてみると見覚えのある姿のネコだった。
「しぃ…?!」
ギコがかけた声に反応し、うつ向けていた頭を上げ、こちらを見た。
「ギコ…君?」
やはりしぃだ。ギコは内心嬉しかった。しかし感動の再会を喜んでる間は無い。
「こんな所にいたら殺られちまうぞ!一緒に逃げよう!」
ギコは手を差し出した。まるであのときと同じように。
しかし、しぃはその手を見つめながら何か迷っているような顔をした。
「…俺と一緒は不安か?」
「いや、そうじゃなくて…あのね…」
何かを言いかけた瞬間、近くから凄まじい音がした。戦闘が起こっているらしい。
「時間がない!早くっ!」
「う…うん…」
しぃはギコの手をとり、二人は走り出した。
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