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二人で一生懸命探した。
服も二人の小さな手も泥だらけ―――。
瞬はいつのまにか
泣いていた。
『瞬くん 大丈夫?
お腹痛いの?』
『うぅっ(泣)見つからないから。』
ポロポロと瞬の目からこぼれる涙。
『泣かないで。みぃちゃんも頑張るから。
誰かにあげたいの?』
心配そうに
瞬の顔を覗き込む未来。
『うん。パパとママにあげるの。』
『お誕生日?』
『違うよ。僕が寝たらパパとママ喧嘩してるの。ママ泣いてた。』
『…瞬くんのパパとママ仲直り出来ると良いね。』
未来が瞬の頭をよしよしする。
『うん♪みぃちゃん僕が泣いてたって誰にも言わないで。
僕は男の子だから泣いたらダメなんだ。』
『うん。誰にも言わない。』
二人の小さな
小指と小指で
指切りをした時
遠くに二人の母の姿が見えた。
『瞬 帰るわよー』
『未来 おうち帰ろう。』
『『はぁーい。』』
二人は手をつないで
走りだす。
『瞬くん明日も探そうね。』
『うん♪頑張ろうね。』
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