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  『うわぁ~ん。瞬くん行っちゃヤダぁぁ…』     未来の頬には 涙が一筋…。     『………久しぶりに 瞬くんの夢見ちゃった………』   目を擦りながら 未来はベッドの上で つぶやいた。     瞬くんのおうちは あれ以来 ずっと空き家―――。     未来は中学一年生に なっていた。     小学校入学前の 瞬との淡い思い出。     あれが未来の 初恋だったのかは 未来にもよくわからない。     でも幼い頃の未来は 瞬のこと 大好きだった。   当初はしょっちゅう 瞬との別れの日の夢をみた。     未来の勉強机の上には青と赤のリボンのついたしおりが二枚。     青のリボンのついたしおりには   あの日瞬に渡すことが出来なかった     ……四ツ葉のクローバー。    
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