少女誘拐事件

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男は、 山奥のコテージの前に車を停め 大きなバッグを 持ちながら降りた。 コテージの入り口に立ち 足元にバッグを置いた。 ポケットから鍵束を取り出した。 ドアノブに何十にも巻き付けてある 鎖と南京錠の鍵を開けた。 足元に置いたバッグを 丁寧に持ち上げ、 ドアを開け部屋に入った。 足を踏み入れた瞬間 今にも壊れそうに軋む床の音。 そこには、 四角いソファーが1つ その前に 丸いアンティークな雰囲気のテーブルと 小さなキッチンのみ。 ガランとした部屋は、 天井に吊され 今にも落ちてきそうな 裸電球1個で照らされている。 唯一ある 四角く小さい窓から 少量の木漏れ日が 差し込んでいる。 疲れているのか ため息を付きながら ソファーの後ろの床にバッグを下ろし ソファーに横になった。 「明日にするか…」 と小さく呟くと、 泥のように眠った。
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