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「先輩、証拠って」
『あるだろ、此処に』
言いたげな若い男を他所に室内の机やソファーをひっくり返し壁に掛けられていた絵画を剥がし壺を割って見せると出るは出るは、白い粉の入った袋の山。
「これは」
『なっ。これも押収、んで鑑識』
驚いた若い男の肩を叩き満足そうに笑うと室内を出て行った。
型破り、破天荒、傍若無人な俺様なこの男こそ東伯警察署検挙率ナンバーワンを誇る久遠千明であった。
「先輩をコントロールできるのはやはりまりあさんだけだ」
残された若い男は千明の一つした後輩の松前要(まつまえ かなめ)
千明に振り回される憐れいや幸運を手にした男であった。
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