彼を上回る彼女の存在。

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「待ちなさいって言ってるでしょ?千明」 『何だよ、っせえな。始末書書けばいんだろ?書けば。』 俺の後を追いかけてくるまりあの言葉に足を止め振り返ると駆け寄ったまりあにいきなり右手を掴まれぐいぐい引っ張られ歩き出す。 「いいから、来なさい。」 『おい、何処行くんだ』 驚く俺のことなどお構い無しにまりあは俺の手を引き目的の場所につくと足を止めた。 扉には医務室の文字が掲げられておりまりあは数回扉をノックし開くとまた俺の手を引き室内に足を踏み入れた。 『何だよ、こんな場所で。あっイケナイ誘いとか?』 ようやく俺の手を離したまりあをからかうように笑うと扉を閉めたまりあから思いっきり頭を叩かれた。 「馬鹿言ってないで座りなさい、全く、また怪我して」 呆れたように俺を見るまりあの言葉に従い座るとまりあの右手が俺の右頬に触れ微かな痛みが俺を襲った。
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