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『痛っ、こんなん舐めときゃ治る』
頬に触れたまりあの手から逃れるように顔を逸らすとぐっと力でまた正面に戻された。
「全く、昔から怪我が絶えないんだから」
呆れたようにまりあは言いながら脱脂綿に消毒薬を湿らせた物をピンセットに挟み傷口に押し付けた。
『痛っ、ちっとは優しくしろよ』
「煩い、男でしょ?」
まりあのこの言葉を聞くのは何度だろう、俺とまりあは学生時代からの付き合いになる。
傷を作る度にまりあは呆れたように怒りながら手当てをした。
いつの間にかの腐れ縁、自分で作った腐れ縁になるのだろう。
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