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出逢い、ああそうだ、まりあと出逢ったのはあいつが隣に引っ越して来た日。
「初めまして、隣に越してきました。坂下と言います。」
「まぁまぁ、ご丁寧に。私は久遠と言います。それからコレは息子の千明です」
やけにいい匂いのする母親より美人なおばさんが訪ねてきてその後ろに長い髪だけ見えた小さな女の子。
俺はペコペコ頭を下げる母親にぐいっと襟首ひっつかまれ強引に前に出された。
「ほら、千明。挨拶」
『ども』
俺は母親に促されながら短く挨拶し頭を下げると容赦なく母親の右手が俺の脳天を直撃。
「全く、この子ったら。すいません」
「いえいえ、男の子なんですから。ほら、まりあも」
俺はただただ痛む頭を擦りながらまたアホみたいにペコペコ頭を下げる二人を見ていた。
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