すれ違い。

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それからの俺達と言えば、あんまり昔のことは覚えてないけど、まりあが中学あがるまで泣き虫だったってことは覚えてる。 「ブス、ブース」 「鏡見たのかよ」 『…………っふ』 そう、何故かまりあは転入してしばらくしてからアホな男子に虐められてたんだっけ。 『んなこと言ってそんなにこいつ好きなの?』 俺はまりあを囲んでいた二人組の尻を思いっきり蹴り鼻先で笑った。 「っ…痛て」 「ちっ千明だって坂下好きなんじゃ…」 『はっ?当然じゃん』 悔しそうに俺を見据えた二人と視線を同じにするよう身を屈め満面の笑みで頷く。 『ちーちゃん?』 『だってこいつすげぇ、面白いし。』 「こらー、そこで何してる」 びっくりした様子で涙を止めたまりあを指差しながら俺はそう言った。 すると当然のような俺の言葉に男子二人もまりあも唖然とした様子で俺を見ていると遠巻きに担任が駆け寄りこれ幸いと男子二人は俺を悪者にした。 『だってこいつら、まりあを虐めてた』 「だってじゃない、だってじゃ。人を蹴るなと言ってるだろ」 しかし大人は俺の話を取り合ってくれず、理不尽だと思っていた。
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