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そんな感じで俺とまりあは二人揃って中学に入学した。
「本当に早いわねぇ、お隣のまりあちゃんがあんたのお嫁さんに来てくれたらいいのにね」
『美佐子も歳だなぁ、嫁より俺は遊びたいお年頃』
口を開けば母親はそんな空想めいたことばかりぼやいていたが俺はそんな気が全くなくいつも茶化していた。
「誰が歳よ、美佐子って呼ばないでお母さんっていいなさい」
『へいへい』
その度に俺は母親にげんこつされていた。
「でもさ、まりあちゃん。可愛くなったよな、俺のクラスでも付き合いたいって奴居て、千明仲良いんだから紹介しろよ」
『そんなの兄貴がやれば』
俺と母親の会話に割って入ってきた兄貴の言葉に何故か俺はむっとしてしまい逃げるように二階に上がり自分の部屋に戻るとベッドに寝転んだ。
『どいつもこいつも、まりあ、まりあって…泣き虫じゃねえか、あいつ』
天井を見詰めた俺の心は腹立たしさでいっぱいだった。
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