すれ違い。

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まりあがモテないなんて思わないけど不思議な感覚だった。 ブスだと罵っていた奴らでさえ手を返したように特別な目でまりあを見ていた。 それが逆に俺には面白く無かった。 『ちーちゃん、顔怖いよ?』 『別に、つーか、ことあるごとに俺のとこ来んなよ。 色々、言われて面倒。』 俺の顔を覗きこみながら眉間の皺を右手人差し指で伸ばすように動かすまりあの指先を右手で軽く払いながら俺は席をたった。 『ちーちゃん』 『ついて来んな。』 何の因果か分からないが俺とまりあは同じクラスになってしまい、俺になついているまりあとの関係がアホらしい妄想と共に噂になっていた。 俺はくるりと背を向け教室を一人出ていく、まりあが嫌いとかそんなんじゃなくて気に入らない、なぜ気に入らないのか分からないから余計にむかついた。
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