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教室に戻るとまりあが嬉しそうに駆け寄ってくる。
『ちーちゃん、今日ね?』
『悪いけど、その呼び方止めろ。彼女が勘違いしたらたまんねえから』
いつものようにじゃれついてくるまりあを完璧に突き放すように俺は冷たく見据えた。
『えっ…彼女?』
『そっ、彼女。それから帰りは彼氏にでも送ってもらえよ』
明らかに驚いた様子のまりあを他所に俺は自分の都合ばかりを口にした。
まりあは俺にそれ以上何も言わなかった。
この瞬間、俺達は確実に埋められない溝を作った。
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