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「察だと?令状あってのことだろうのう?」
鬼の首でもとったように柳の表情は喜びに満ちた。
いくら容疑をかけられた罪人でも令状無しで警察官が取り調べることは禁じられている。
『令状?令状な…』
探すようにポケットをまさぐる男の顔色は一向に変わる様子もなく柳は焦りを感じた。
「おい、まだか」
柳が業を煮やして怒鳴り声を上げた瞬間、室内の入り口から若い男と警察官が雪崩混んでくる。
「先輩、令状持って来ましたってまた無茶苦茶を」
『令状ならあったな、まっこの続きはしっかり聞かせてもらうとするか』
入ってきた若い男が手にしていた令状を見ると柳の右腕を掴み男はガチャリと音立て柳の手首を施錠する。
『柳、麻薬密売で逮捕する。言っとくがお前は任意じゃねえ、十分証拠は揃ってる。おい、連れて行け』
苦々しく唇を噛む柳を見据え、男は有無を言わさず柳の身柄を警察官に渡した。
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