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いつもの日常。
「いいよ。ノート授業までに返してね。」
そういって私は愛想笑いをうかべながらノートを渡してやるのだ。
「やったぁ!ありがとぉ~。恩に着る~。」
「マジ助かるー。」
「早く私にも回してよー。」
自分でやれよ。だからテスト困るんだよ。
「ちょっといつも借り過ぎじゃない?自分でやんなよぉ。」
…彩はいつもそうだ。言いたいことをすぐいう。
「長谷川さんはいいって言ってんだから。あんたに関係ないんだけどぉ~。」
そういうと彼女たちはもうノートを写すことに専念した。
私は彩になにも言わない。
言ってくれてありがとうとか…別に言って欲しかったわけじゃないけど、、だっていつものことだし。
そんな私を彩は最近、よく怒るんだ。
「ねぇ、美貴!なんでいつも簡単に渡しちゃうかな。美貴だって時間かけてやったやつなんだよ?すぐ写せるなんてずるいよ!」
まったくだ。そのとおりなんだよねぇ。
わかってるけど、正直面倒なんだ。
軽く相槌をうちながら私は席についた。
そんな私を彩は納得いかないような顔で見ている。
この頃、こんな感じのことばかりだ。
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