始まりの日

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「いや~一学期最後の休みだな~」 俺は待ち合わせ時間から三十分も遅れていながら何もなかったかのように待ち人に話しかける 「…おい」 「明日と明後日学校行って授業うけて…で、その次の日に終業式だろ~」 「おい!」 「夏休みまであと…」 「おいコラ!恵太!」 人が夏休みまでの残り日数を数えていると、俺の親友で幼なじみでもある兵藤 零一(ひょうどう れいいち)に耳元で怒鳴られた。 「わ…悪かったって遅れてゴメン、零一」 耳がキーンとするのを我慢してすぐに謝る。このままふざければ耳だけじゃすまなくなる… 零一は細身だが、家が道場を開いているのでとんでもなく強い 「まったく。いったい何やってたらこんな遅れるんだよ…」 零一は呆れ顔で言う。 「いや~爆睡してました…」 正直に理由を話す。 「………(ニコッ)」 零一が微笑んだので俺もつられて笑う (…ニコッ) ドスッ! 「ぐえっ!」 零一の拳が貫きかねない勢いで俺の腹に食い込んだ 「まぁ仕方ない、正直に話したから一発で許すか…」 「ぐぉぉ…正直に話したらさ…フツーはさ…殴らなく…ないかな?」 あまりの痛さに腹をおさえ座りこみながら零一に抗議する
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