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幸村「幸男殿、少しよいか?」
幸男「あ………幸村殿ですか。別にいいっすよ」
幸村「かたじけない」
幸男と幸男は部屋の奥に移動した。
幸男「どうしました?」
幸村「実は秀頼様及び我々上層部の限られた者の間で決められた極秘の任務を幸男殿に任せたいのだ」
幸村の顔は気迫が迫るように真剣だった。
幸男も自然と顔に汗がにじみ、生唾を飲み込んだ。
幸村「幸男殿は我が兄真田信幸が仙石忠政殿と共に徳川より独立したのは知っておろう」
幸男「はい、周囲を敵に囲まれながらも信濃を平定したと聞きましたけど……」
幸村「うむ、そして先日兄は豊臣家に密かに服従をする代わりに資金と有能な将を送って欲しいと言って来たのだ」
幸男「その将を俺に………ですか?」
幸村「うむ………本当ならば私や大助が行くはずだが今の豊臣軍には幾ら将が居ても足りぬのだ。そこでまだ若いお主に是非頼みたいのだ……」
幸男は口に手を当て何か考え込むがすぐに了解の返事を出した。
幸村はやったなと言う顔をして懐から包みを取り出した。
幸村「これは上田城までの旅費だ………」
幸男「ありがとうございます。では旅支度をしますんで………」
幸男は衣服やら持ち物を準備し始めた。
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