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次の日…………
幸男「良し!そろそろ行こうかな!」
笠で顔を隠し、身分の低そうな衣服を着た幸男は真田丸砦の入口に居た。
唯一欠点と言えば虚空蔵の毛並の美しさや上品なオーラだった。
幸男「お前は気楽でいいな…………」
虚空蔵「??……………」
虚空蔵は幸男のため息を気にせず早く出発したいと鼻息を立てていた。
柏崎「もう行くのか?」
杖を突きながら柏崎を幸男に話し掛けた。
幸男「柏崎殿……………はい、そろそろ行かないといけないので………」
柏崎「幸村殿より供の者を預かっておる」
柏崎は杖を地面に数回トントンと叩いた。
すると真田丸砦の城壁から小汚い服装をした青年が飛び降りた。
小助「……幸村様の命令によりお供をさせて頂きます………幸男様………」
幸男「小助が供をしてくれたら百人力だね!」
幸男は虚空蔵に股がると走り出し、小助も忍の速い走りで追い掛けた。
柏崎「会わんで良かったのかあや?」
柏崎の後ろに猫背であやが隠れていた。
柏崎「もしかしたら道中幸男殿が死ぬかもしれんぞ?」
あや「幸男様は死にません…………それに幸男様の前に立つと中々喋れなくて……」
柏崎「(我が孫ながらしゃいじゃのう……)」
柏崎はやれやれと言った顔で遠くなる幸男達の背中を眺めた。
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