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「私も大好きよ。アップルパイ。」 悪い人じゃないみたい。と話を聞いてすぐに分かりました。 「どうして、そんなに黒い服を着ているの?」 「僕は、黒が好きなんだ。闇、そして夜…真っ暗が好きなんだよ。昔からね。」 ネクタイは漆黒。スーツは、夜の帳を身に纏っているかのよう。 「そして、その中でさんさんと輝く星が大好きなんだよ。」 よく見ると、パパの傍には望遠鏡が置いてある。 「パパも星を見ていたの?」 「ああ。研究のことで頭を休めようと外に出てきたらシドニーさんに会ってね。」 「驚かせてしまったんだよ。僕が黒くて見えなかったみたい。」 シドニーは申し訳なさそうな顔をしました。 「僕は陸上のあらゆるところで星を観たんだ。それで今度は海の上から観ようと思ったんだ。」 シドニーは船に乗っている理由を話しました。 「サラはこれから新しい島に住むんだってね。パパから聞いたよ。誰も住んでない島。素晴らしい!人工の光がほとんどないのか。たくさんの星が見渡せる。夢みたいだ。君が羨ましいよ。」 サラには、まだ星のよさが分かりません。そんなに素敵な場所に行こうとしてるなら、楽しみは募ります。ドリスおねえさんの絵の具で、星を描こうと決めました。 「あ、ほらご覧!あれがアンドロメダ銀河だよ。淡い光が綺麗だろう。」 突然、シドニーが空を指差して叫びました。 シドニーの目にはある程度の明るい星なら、望遠鏡がなくてもよく見えます。
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