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大切な人たちとの別れのあとに素敵な出会いがいっぱいです。
サラは明日着く島に降りることを考えると胸が躍りました。
サラは自分の船室に戻りました。寝間着に着替えると誰かが戸を叩きました。
「パパ?」
パパはまだシドニーとおしゃべりをしていたのでサラは先に帰っていました。
戻ってきたのでしょうか。しかし、扉の外は何だか静かです。
「どなたですか」
そっと扉をあけるとそこには随分風変わりな、おばあさんが立っていました。
「ちょっといいかしら」
言うなり、おばあさんはサラを奥に押し込むようにして入って来ました。
「あの、あの…!」
サラは驚いて上手く言葉が出ません。
外国の方かしら。今まで見たことがない格好をしています。
「やっぱりピッタリだ。」
おばあさんは、グルンとサラを背中を向かせると、薄い黄色のワンピースをぐいっと押しつけました。
後ろを向いているサラには何が何だか分かりません。
「あんたは、いくつかい?」
「11才になります。」
おばあさんの表情が分かりません。
「私の孫と同じだ。丁度いい。ほら、じっとしておいでよ。」
「な、何をしてるんですか?」
「孫にあげる服のサイズが分からなくてね。あんたが丁度いいと思ったもんだから。悪いけど、体借りるよ。」
おばあさんは素早い動きでサラの腕や肩、丈や胴回りなど、すべてを測り終えました。
ようやく解放され、サラはおばあさんの顔を見ることが出来ました。
髪はピンクで青と緑のスカーフを巻いています。
指には両の手すべてに大小さまざまな指輪をはめていました。
「孫の誕生日だってことすっかり忘れていてね、間に合わなくて、服を買ったんだよ。しかし、何才だったか忘れてしまって、大きな服を買ったんだよ。今思い出したら、あんたと同じくらいだったんだよ。」
おばあさんの記憶はあいまいです。
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