駆け抜けて性春

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「どうしたんだ?紺野」 「...すいません」 ルイがいなくなって1ヶ月が経った 相変わらず渚達はルイを思い出すこともなく 何もかもルイがこっちに来る前に戻った ...俺以外は 「受験に響くことはないが学年1位がいきなり30位じゃあ..」 「今回はちょっと..すいませんでした本番までには調子戻しておくので..」 俺の言葉に担任は軽くため息をはき下がっていいぞと優しく言った 俺はそんないたわりの言葉も耳に入らずただ機械的にぺこりと頭を下げて職員室をあとにした 「南」 「..渚」 扉を閉めると待っていたのか渚が駆け寄ってきた 「...担任なんだって?」 「別に何も?」 渚が柄にもなく心配そうな顔をしてる ..変なの 「なぁ..マジなんかあったんだろ?俺にも言えないのかよ」 「そういうんじゃないよ」 うん そうなんだ 渚がどうとか そういうんじゃない 俺があの時のまま ルイがいなくなったあの瞬間から 立ち止まったままなんだ .
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