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対話
田神龍也(17)
『やぁ。カッコいい名前だね。』
「なんだお前は?」
『僕は君だよ。』
「俺は俺だ。お前じゃない。」
『君が無意識に作り出してる存在さ。』
「…。」
『人あたりの良い君が僕。
君はすごく不器用で人の接し方が
わからないでいる。』
「いつからいるんだよ?」
『さぁね。長いこといるから忘れたよ。』
「お前なんて必要ない。」
『そぉ?』
「いらない。」
『君のままで世間を歩くには
世の中は冷た過ぎるよ。』
「やっていけるさ。」
『嘘だね。』
「嘘じゃない!」
『じゃあ
何故ずっと人と話してなかったの?』
「…。」
『人と触れ合うことが辛いと感じている。』
「他人は俺を嫌っているんだ!」
『じゃあ
君は他人を好きになったことあるの?』
「…ある。」
『ないね。
だって人が愛してくれることを
待ち望んでいる。』
「いいじゃないか!別に。」
『怖いの?』
「なにが?」
『拒否されることが。』
「怖くない。」
『過去に裏切られたから?』
「怖くないって言ってるだろ!?」
『幼い君には辛かったね。』
「そんなこと気にしてない。」
『ただ運悪く興味関心が
なくなっただけだよね。』
「そうだよ。だから仕方がない。」
『でも君はそれが恐怖だったんだ。』
「やめてくれ!」
『もっと僕を求めて…。』
「もう忘れたことなんだよ!!」
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