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「こんな時間にしてくれるなんて、貴方って、結構優しいのね」
エリーはふふっと笑いながら、空いてる席に座った。
「…君が電話をくれた時、"クリスと同じ種族"と言っていただろう?だから、君に合わせてみた」
真剣な眼差しで語る透に、エリーはクスッと笑った。
「……」
「気に障ったのならごめんなさい。これは、私の癖なの」
そう言って、またクスッとエリーは笑った。
「……。そんな事より、君が何の目的があって俺に近づいているのか、それが知りたいんだが」
「あら、残念。もうちょっと楽しみたかったのだけど…。‥単刀直入に言うわ。クリスと別れて頂戴」
そう言ったエリーに、透は目を見開いた。
「クリスが何故、貴方みたいな人間に固執するのか、私には分からなかった。その時の私は、貴方が何者なのか分からなかったから…。でも、貴方がクリスの契約者で、身体でも結ばれていると分かった。その関係がクリスの固執する原因だと私は悟ったわ。私達吸血鬼の契約者は、その個人好みの血が契約者の体内に存在する事でその人間が契約者であると認識し、契約を交わす。でも、契約を途中で切ることも出来るの。貴方には、それをしてもらいたいの。それが私の目的よ」
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